骨折 6日目
退院
朝。
熱もなく、食欲もあり右腕以外は異常なし。
そう、右腕はというと、手の甲が浮腫んで痛だるい。朝からグーパーグーパーやる。
今日は傷口の消毒をしてもらって何も問題なければ退院だ。同室のおばさんが、
“もう退院しちゃうのね”
と、ボソボソ言っている。まぁ1ヶ月もいれば帰りたいだろうな~と思う。入院も病気と怪我では全然違うな~と。こっちは手術して問題なけりゃあ退院。なんなら手術翌日でもいいらしい。怪我の場所によっては。あたしは考えられなかったけど。その点病気はそういうわけにはいかない。手術しても経過であったり通常を取り戻せるまでの回復だったり、やたら長くかかる。
そりゃぁ 陰 になるわ。
朝食も済み、担当医が来て消毒をする。
この時初めて傷口を見た。
肩から腕に向かって9センチほど蛇行しながら切ってあった。血のかたまりも所々。そして、肘内側の上3センチのところから2箇所1センチと間があって2センチくらいの傷が。
先生が
“うん、綺麗になってるね”
と。私は怖いもの見たさで見る。
“うわー、こんな風になってるんだ~(肩の辺り指して)”
“そう、ここから入れてあって、上のところ止めて、この肘のここね、ここでも止めてあるから”
“ほぅー。”
すると、先生消毒しながら衝撃的なことを。
“頭痛くない?”
“?”
“手術はね、座ってやったんだよ。で、倒れないようにヘルメットみたいなの被ってもらってそれで支えてね。まぁ痛くはないか、頭。はい、終わり。退院していいですよ~。薬と次回の予約用意しときますね~。”
“あ、ありがとうございました。”
そんなー。初めて聞いた。そんなやり方があるなんて。てか座っていたなんて。それにヘルメットらしきもの被ってたなんてーー!。びっくりした!!!
たしかに。上腕の骨のなかに真っ直ぐ入れるから座ってた方が入れやすいな…。あー、びっくりした。
10時になり会計の手続きが整って薬と次回予約表をもらい帰る準備をした。
腕が動かないので、パジャマでなく手術着のようなのを着ていた。着替えたいけど一人じゃ脱げない。持参してきた服は普通のダボダボTシャツと、ジッパーのパーカー。これもどうやって着るのやら。ちょっとでも触れるとまだ痛いし。看護師さんに手伝ってもらう。
“こうやるといいよー、まず、着るときは右から通してそお、ここまで。でかぶる。脱ぐときは左から脱いで右ね。”
“ほんとだ なるほどねー”
単純だ。
普段気にせず着脱してるからついつい何気なく腕通そうとすれば、凄い衝撃。危ない危ない。
家から迎えが来て担当看護師さんに見送られながらエレベーターに乗って下までおりた。
カードで支払いとりあえず ホッ。
長いようで早かったこの一週間弱。
なかなか濃かった。
とりあえず、そーっと車に乗り込み衣料品量販店へ。
服がないのだ、着れる服が。首回り、袖口が広く肩まわりが大きくないと、ダボダボTシャツじゃなきゃ着られない。少しとて肩をあげられない。いつもぶかぶか着てますが、更に更にのLLとXLのTシャツ購入。一安心。
とりあえず家に帰ろう。